様々なインプラント治療に関する考え方

抜歯即時インプラントとは

歯を抜いて、抜いた場所にその日のうちにインプラントを埋め込むことを「抜歯即時インプラント」といいます。

大きなメリットとして

・手術回数、治療期間の短縮
・骨がやせずに温存できる

ということが言われています。

顎の骨は歯があるから幅や高さが維持されます。歯を抜いてしまうと骨は半年で大きく痩せてしまうことが分かっています。骨がやせるとインプラントが難しくなるので、歯を抜いた直後に、歯の代わりとなるインプラントを埋め込めば骨が痩せずに済むという理論が背景にあります。

メリットの多い治療法ですので、豊中市・ますだ歯科医院では抜くべき歯の状況を見極めたうえで抜歯即時埋入を行っています。

知っていてほしい事実

歯を抜いたときに同時にインプラントを埋め込めたら、手術回数も減り期間も短縮できるのは間違いありません。

ただ骨がやせないというのは間違いで、今では「インプラントを埋め込んだところで、（歯を抜いたことで）骨がやせてしまうことは食い止めることが出来ない」という事実が分かっています。

＊ インプラントを埋めるかどうかでなく、抜歯した部分に骨移植をすることは骨がやせる量を減らすことが出来ると分かっています。

メリットばかりではありません。下記の理由もあり、当院では抜歯即時埋入は状況を良く見極めたうえで行っています。

理由１．すぐに埋め込んで大丈夫な状態なのか・・・

インプラントを成功させるためには、なるべく清潔な状態で手術をすること！！
これは誰もが言うことです。
お口の中には、ばい菌（細菌）が山ほどいます。
虫歯も歯周病も細菌が原因の病気です。
インプラント治療を行う前には、細菌の量を減らすために虫歯治療・歯周病治療を行いますし、
手術の日にはきれいにお口の中を清掃します。

では今回抜歯する歯はどういった理由で抜歯するのですか?

膿がたまっている
歯茎が腫れている

そんな中に抜歯したその場でインプラントを埋め込むこと・・・
当然リスクを伴うと思いませんか?

理由２．手術後の骨のやせかたの予測がつかない

インプラントをしても抜歯後骨がやせるのを防げないという、近年分かってきた事実を書きましたが、
その事実に対応するために、
「骨がやせることを予測して、深めにインプラントを埋め込む」という対応を行います。
でも骨がどれだけやせるかの予測は不確実です。
思ったほど骨が痩せなかった場合はまだマシですが、思った以上に骨が痩せてしまった場合は残念な結果になります。

豊中市・ますだ歯科医院の考え方

手術回数が減ることや、治療期間が多少短くなることは確かに大きなメリットですが、万が一インプラントがうまくいかなかった可能性を考えると無理をして行うものだとは思えません。

抜歯しないといけない歯の状態や、骨や歯茎の状態をみて、抜歯即時埋入のリスクが少ない場合に行っています。

それは、

・歯の根が折れてしまって抜歯となる場合、
・抜歯する歯の周りの骨がダメージをうけずに残っている場合

などです。

「治療期間を短くする」「手術回数が減る」ことも考慮しますが、
やはり「安全安心」なことを最優先し、治療計画を立案しています。

抜歯したところへの対応方法

豊中市ますだ歯科医院では歯を抜いてインプラントをしていく場合には、
・条件が良ければ抜歯するのと同時にインプラントを埋め込みます
期間も手術回数も減らすことが出来ます
・インプラントを同時に埋めるのにリスクがあれば抜歯と同時に骨移植を行います
骨が痩せる量を減らし、インプラントを埋め込む手術を簡単に行えるようにします
・インプラントを同時に埋め込むのに高いリスクがあれば抜歯した時にはコラーゲンスポンジを埋め込みます
痛みが強い場合やウミが多量にたまっているような場合に行います
傷の治りを早め、早期にインプラント治療が行えるようにします

患者様へのお願い

歯を抜いてインプラントをする場合には、状況によって抜歯した際の対応が大きく異なります。
強い痛みや腫れがある場合には、症状を軽減させるために抜歯を優先し、その後に抜歯後の治療法を検討していただきますが、
そうでない場合には抜歯をする前に、抜歯後インプラント治療を選択されるのか、ブリッジや部分入れ歯による治療を選択されるのかを決定していただいたほうがスムーズです。

ますだ歯科医院