グアテマラ研修も4日目、最終日となりました。
研修最終日、メンバー全員が昨日までに行った治療について説明・アドバイスをCho先生からいただきます。
サイナスリフトという手術は、インプラント治療の中でも難易度の高い手術ですので、治療中に出血や、上顎洞粘膜が破れるといった偶発症が起きることがあります。
今回もスムーズに治療出来たケースもあれば、治療中に出血への対処、破れた粘膜への対処が必要だったケースもありました。
どうしてそのような問題が起きたのか、起きた場合には何を考え、どう対処するのが正解なのか、今回の手術後どのタイミングで次に進めばいいのかを1症例ずつ詳しく解説していただきました。
担当した患者様の術前・術後のレントゲンもいただきました。
これからあとの治療はマロキン大学の先生に引き継ぐことになりますが、問題なく経過してくれるのを願っています。
今回は自分で行った手術に加え、アシストについてそばで見ていた手術、他の先生がやっている手術見学など30以上の手術をみることが出来ました。
ますだ歯科医院では2011年に初めてサイナスリフトを行い、この研修までに45回のサイナスリフト手術を行っています(一般開業医ではかなり多い手術件数だと思います)。
4日間で多くのケースや偶発症を目にすることが出来、本当に参考になりました。
今後の手術に活かすようにします。
余談ですが、最終日お腹の調子が非常に悪くつらい思いをしました。
おそらく前日バーでラムをロックで飲んだ際の氷が原因でしょう。
手術も無事終わり気が緩んだのに加え、ホテルのバーだからと安心していたのですが、失敗しました・・・。
水や生野菜には注意を払っていたのですが、油断大敵です。
最後に研修を受けたフランシスコ・マロキン大学の写真を紹介します。
午前中で研修は終了し、午後はマロキン大学のルイス先生が企画してくださったバスツアーに参加しました。
グアテマラは治安が悪いので、街中を歩くことを禁じられていました。
研修中はホテル~大学をバスで移動するのみだったので、楽しみです。
グアテマラの名産であるコーヒー農園の見学と、世界遺産にもなっているアンティグア観光をするそうです。
まずはコーヒー農園観光
私はコーヒーが特に好きなわけではないのですが、とても勉強になりました。
グアテマラのコーヒーはアラビカ種であること、アラビカ種は病気や害虫に弱いので、強いコーヒーの茎に接ぎ木をして栽培していること、
真っ赤になった実だけを一粒ずつ手摘みで収穫し、それをランク付けして最高級品が海外に輸出されること、
輸出先としては日本・イギリス・韓国が主であることなどを教わりました。
今は収穫期ではないため、赤い実は少ないのですが、いつくか取れました。
でもどれも製品になるレベルではなく、均一に真っ赤になったものしか収穫されないとのことです。
完全手作業ですので、グアテマラコーヒーが高い理由が分かりました。
でも一番驚いたのが、この木です。
皆さん、なんの木か分かりますか?
この巨大な木は、「アボガド」の木です。
アボガドがこのような木に実るということを初めて知りました。
次にアンティグア観光です。
アンティグアは昔グアテマラの首都であったこともある、コロニアル風の街並みが今に残る街です。世界遺産にもなっています。
バスで街並みを見たのちに1時間自由時間があったため、走りながらざっと見物してまわりました。
一番有名なラ・メルセー寺院
中央広場や大聖堂も見てきました。
スペイン統治が色濃く残る町並みです。
集合時間に戻ってみると・・・ 誰もいません。
一瞬あせりましたが、バスの運転手に案内してもらい合流しました。
近くにロン・サカパ直営のバーを見つけたようで、予定を変更し飲んでおられました。
飲んだのはロン・サカパ XO
至高の味わい! はまりそうです。
明日は早朝4時半
頑張って起きないといけません。
全ての研修が無事終了しました!!
今回の研修では、
ニューヨーク大学を卒業するための卒業論文の一次提出(チェックを受け、修正をしたのち最終提出します)、国際インプラント学会の指導医取得のための症例提出などもしてきました。
卒業論文のテーマは今回の研修内容でもある「サイナスリフト」にして、今まで当院で行ったサイナスリフト45症例を、世界で報告されている文献と比較・検討しました。
専門的な話になりますが、この手術で一番起きやすい偶発症は上顎洞粘膜が破れてしまうことで、その偶発症を防ぐためにはピエゾという超音波で骨を削る道具がとても効果的だといわれています。
ますだ歯科医院では、ニューヨークでサイナスリフトの権威ウォレス先生の講義を聞き、今回一緒に研修を受けた札幌の吉田先生の手助けもいただき昨年ピエゾを導入しました。
当院では導入前の破れた確率17% 導入後の破れた確率4%という結果になっています。
世界の高名な先生方の様々な文献をみると、導入していない場合は20% 導入後は5%というデータになっていますので、世界標準の手術が行えているのではと考えています。
また、国際インプラント学会の指導医を取るためには数多くのインプラント報告と、報告するにあたって患者様の同意書が必要でした。
年初から報告書類を作成するために取り組み、半年かけてようやく仕上がりました。
報告するインプラント治療には、長期的にトラブルが起きていない症例や、大掛かりな骨を作る処置を行った症例など様々な決まりがあり、それに合致する患者様に同意書のご協力をいただきました。
快くご協力いただいた多くの患者様に本当に感謝します。
またこの論文・ケース報告が作製できたのは、後藤の力が非常に大きかったです。
衛生士の後藤は当院のインプラント管理を一手に引き受けてくれています。
2011年からインプラントをした患者様について、部位や手術内容などをエクセルで一覧にして残してくれています。
そのおかげで、症例のピックアップや、サイナスリフトの統計をとることが出来ました。
地道なとりくみをずっと続けてくれていて、本当にありがとう。