2/22(土)は、親友O君の結婚式/披露宴に参列するため、少し早めに診療を切り上げさせていただき滋賀に行ってきました。O君は高槻中高の同級生です。お互い受験のための予備校には行っておらず、高校の教室で毎日遅くまで机を並べて自主勉強した仲間/同志です。
歯科医師としてのベースともなっている、中高時代のこと、O君との思い出をお話しします。
私、高槻中学・高槻高校では非常に劣等生でした。270人の生徒の中で常に200番以下でした。親には本当に心配をかけたと思います。
家庭訪問を受けたり、担任から面談できつい事を言われたこともあったようです。
不真面目だったわけでは決してなく、遊びまわっていたわけでもなく、頑張っているのに成績があがらないというもどかしい中高時代を過ごしていました。
今考えると勉強の仕方が分からず、ただ単に机の前に座って、時間を無駄につぶす日々を送っていました。
一方O君は非常に優秀で、常にトップクラスにいました。成績に大きな差がある場合、あまり仲良くなることは無いのですが、彼とはなぜかウマが合い親しくしていました。
国立大学歯学部を目指すと決めたのは高校二年の冬。成績的にはとてもそのレベルにありませんでした。先生には「現実を見て考え直しないさい」と諭されました。友人にも笑われました。
要領が悪い事もありどこから手をつければいいか皆目見当がつかず、予備校に行っても講義についていけず断念し、せめて一番好きな「生物学」だけでも集中して頑張ろう(O君に勝つことを目標にしました)と取り組み約半年・・・。
遂に生物学の期末試験でO君以上の点数をとることが出来ました。
(たまたま自分のヤマ勘があたり、O君はいつもよりも点数が低かっただけなのですが・・・)
それは周りから見ればほんの小さな出来事で、彼の記憶にも残っていないのですが、私にとって衝撃の出来事でした。
「自分でもやればできる!!」
大きな自信と、自分への期待をもつことが出来ました。
それがきっかけで、勉強することへの意欲が俄然わき、わき目もふらず勉強をする一年を送りました。
遊ぶことや寝ることよりも勉強することが楽しいと思えた一年。勉強することが苦ではありませんでした。その結果、周りからは本当に驚かれましたが、志望大学に合格し、今に至ります。
あの出来事がなければ・・・、想像すると恐ろしくなります。
振り返ると、私の人生を変える大きなターニングポイントで、O君は親友であると同時に恩人でもあります。
実はこの体験は今の歯科医師としての仕事観にも大きく関わっています。
歯科医師として技術を向上させ、知識を蓄え、それを分かりやすく説明する、とっても大切で常に取り組まないといけないことなのですが、私たちの技術がどれだけ高くても患者様の努力が伴わなければ歯の健康は維持できません。虫歯も歯周病も生活習慣病です。どれだけ歯医者に通い、どれだけ費用を支払っていただいても、「歯磨きは面倒」「痛いときにしか歯医者に行かない」「間食ばかりする生活が変えられない」のであれば残念ながら健康は維持できません。
「分かってはいるけど面倒で・・・」「分かっているけど、別に今痛くないし・・・」
理解をしてもらっても、意欲がなければ努力してもらえません。
患者様の意識が変わらなければ、どんなに私たちに技術・知識があっても役に立ちません。
人間、ほんの小さなきっかけで大きく変われることを身をもって知っています。
当院にきていただいたことがきっかけで、私たちが説明させていただいたことがきっかけで、私たちの治療がきっかけで、今まで歯について興味をもっていなかった患者様に健康維持への意識が高まるスイッチを入れることが出来れば・・・。
一人でも多くの患者様にとって、私たちがそのような存在になれればと思っています。
当院の理念である、「患者様の歯の健康を一生に渡り守るサポートをする」ために “治療が上手” “説明が上手” そんな歯科医師をまずは目指しているのですが、さらには患者様の「歯への意識を変えることの出来る歯科医師」になれることを歯科医師としての最終目標としています。
O君、どうぞお幸せに!!幸せいっぱいの笑顔を見れて、私もとても楽しかったです。
ご来院中の皆様、予約が取りにくい土曜日に私用で診療を切り上げご迷惑をおかけしました。
院長