歯科医師の井上と、歯科技工士の井上が「第5回SAFE学術大会」に参加しました。
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こんにちは。歯科医師の井上です。
2017年3月19日、20日と二日間連続で開催された「第5回SAFE学術大会」に参加してまいりました。想像以上の数のドクター、衛生士、技工士、スタッフの方々が集まられていたので驚きました。合計で300~400人は集まっていたとのことでした。皆さん、休日を潰してまで勉強しようと意識の高い方々ばかりであることがよくわかりました。
SAFEとはSharing All Failed Experiencesの頭文字をとったもので、治療などにおけるすべての失敗事例をみんなで共有しようという会のことです。本来であれば、隠しておきたいようなことをさらけ出して共有することで、他の歯科医院や病院で同じ失敗が繰り返されないように、またその失敗はどうすれば未然に防ぐことができたのか、起こったときの最善の対応策とは何かを話し合い、答えを導き出していくというほかにはあまりない学会でした。普段ならば、こんなに上手くいきましたよという症例の発表が多いので新鮮な感じがしました。
内容はさまざまでありましたが、どうすればよりよいインプラント治療を提供することができるのか、どうすれば患者様のお痛みなどの不快感を減らすことができるのか、糖尿病などの全身疾患との関連、お薬の使用法の世界基準と日本の現状の比較、インプラント治療に対するお薬の関連性など本当に幅広い分野でのお話を聞くことができました。
治療というものは何でもそうですが、治療するのは今ですが、治療に至るまでのお口の歴史、そして治療してからずっと使われる未来という幅のある見方をしなければ良い治療を提供することは不可能だと思います。インプラント治療は特に歯を失われてからインプント治療を受けてから10年、20年と使用されることを想定して治療を進める必要があります。そして、インプラントを埋入する前から患者様に日々のお口のケアの大切さを理解していただき、インプラントを埋入してからもそれを続けることが不可欠であることを分かっていただかないと治療は上手くいかないということをどうすれば伝えることができるのか、そして伝わるのかをもう一度考えてみる機会にもなりました。
二日間という短い期間ではありましたが、せっかく参加したのだから、少しでも何かを知識として持って帰ってやるという気持ちでいっぱいでした。著名な先生方が書かれた本も購入したので、しっかりと勉強して、会場でメモもたくさんとったのできちんと整理して、日々の診療で患者様の満足度を向上することができようにと考えております。
井上 絢介
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第5回SAFE学術大会トラブルヘキサゴンに勤務医の井上先生と2日間参加してまいりました。私は今回で4回目の参加でしたが、今年は特に特徴的な回でした。
歯科の学術大会であるのに『患者様由来の合併症トラブル』という観点から愛媛県で糖尿病内科を開業なさっておられる糖尿病専門医の西田亙ドクターも演者として参加されており、とても興味のある発表をしてくださいました。
西田先生のご講演は本当にわかりやすく、まずは糖尿病を持病として持っている患者様が歯科でインプラントを含めた外科的な治療を行うにあたってどのようにすると後のトラブル回避ができるのかということを伺いました。そして現在の状況をご自身からどのように歯科医院に伝えるとベストであるか、私たちがどのように患者様から病気の概要をお伺いするとよいのか、どの点に注意するとよいのかということを学ばせていただきました。内科の検査結果の読み方も詳しくご教授いただけました。
そしてほかにもクスリについてのご講演をしてくださった兵庫医科大学口腔外科の歯科医の岸本裕充先生のお話も目からうろこでした。様々なクスリにはどういった作用があるのかということ。昔から使っているクスリを現在もかわらずそれを使っていくといいもの、そうでないものについてお話いただきました。そして疾患があり何かのクスリを飲んでいる患者様においてはインプラント治療を含めた外科的な処置を行うにあたって内科医と歯科医の連携が必要であることなど詳しくお話くださいました。
当院では初診時に初診カウンセリングという時間を設けております。初めて来院されました患者様と1番初めにお話しさせていただく機会が多い私は問診票については念入りにチェックをさせていただいております。その中に既往歴、現在の内科的疾患について記載する項目があります。どういったご病気でどのようなお薬を飲んでおられるかということもカウンセリングの際に詳しくお聞かせいただくのもそのことからです。そして患者様のご不安を取り除き安心して治療を受けていただける体制を設けております。
またそのほかに今年はドクターと手術アシスタントが模型を使い実際の手術をやってみる!ということを通して『ドクターは手術アシスタントにどのように動いてほしいのか、アシスタントは手術アシスタントをどのように行えばドクターが手術に専念できるか』というセッションに参加し、手術中の術者とアシスタントの本音を聞くというおもしろい試みもありました。さっそく私の手術アシスタントの動きについても院長に聞いてみようと思いました!
さて最後に余談ですが、毎年恒例おいしいお弁当もでました!今年は美味しいものを食べながらオペの動画を見るということになりましたが例年のごとく食欲も減退することはなく、ぱくぱくと頬張りながら、しっかり勉強できましたよ♪
学んできたことを明日からカウンセリング時や手術のアシスタントの際に役立てるようにしようと思う2日間でした。
井上 由偉