7月に研修を受けた、中国 天津医科大学での出来事を報告させていただきます。
7/10(金)
今日からニューヨーク大学の研修3回目が始まります。
今回は中国・天津にある天津医科大学にて解剖学の講義・実習が行われます。
天津は中国第3の都市ということですが、ほとんど情報もなく、行く手段も限られます。
大阪からだといくつかの選択肢がありました。
1. 関空 ⇔ 天津直行便
2. セントレア ⇔ 天津直行便
3. 韓国 仁川経由
悩みます・・・
利便性では関空直行便に勝るものはないのですが、この直行便はLCCです。
理想はセントレアからのJal直行便なのですが、伊丹―セントレアの飛行機がないので、新幹線まで名古屋まででて、そこから在来線で1時間 かなりの時間を要します。
仁川はやめときましょう。マーズにでもかかったら怖いですからね。
さんざん悩んで関空からのLCCを利用することにしました。
午前中は診療を行い、タクシーで関空に向かいました。ちょうど出発2時間前に到着です。
今回利用する中国春秋航空のチェックインカウンターに行ってびっくり!!
大混雑!!ほぼすべての方がいわゆる中国の「爆買い」客です。電気屋かと思うくらい炊飯器がたくさんありました。
大混雑の原因はチェックインにあります。LCCですので、無料荷物に制限があります。
預けるものと手荷物合わせて15kgまで。
私の場合、余裕だろうと思い気楽に考えていましたが、14.7kgぎりぎりセーフです。
スーツケースにはスーツや着替えなどしか入っておらずガラガラですし、手荷物のパソコンは思いとはいえ、1.1kgです。
意外と重いんですね。
当然、買い物をして帰る方々は重量オーバー。1kgあたり1200円の追加料金がかかります。ほとんどの方が1万円前後の費用をチェックインカウンターで支払っていました。
そうなると行列は進みません。
1時間並んでようやくチェックインできました。
大分時間が取られましたが、20分ほど余裕があります。
ラウンジで過ごしましょう。
関空でいつも利用させてもらっているのがKALラウンジ。大韓航空のラウンジで、アルコールを無料でいただけます。
私、高所恐怖症の気があり、飛行機は苦手です。
しかも中国のLCC
機内では寝てしまおうと考え、
平日の昼間からビール なんて幸せなんでしょう。
ほろよい気分で搭乗口に行ってみましたが、いつまでたっても搭乗開始されません。
何の案内も無いまま、約1時間遅れで搭乗開始。
機内は満席です。ガラガラかと思っていたのが恥ずかしい。
低コストで運用するのですから、搭乗率が低くては経営が成り立ちません。
それでもすごい。
機内は相当にぎやか。まあ、うるさいです。
国民性でしょうね。
飛行中にとった写真がこれです。皆通路で立ち話をしています。
空港で、同期の先生と待ち合わせ、タクシーでホテルに向かいます。
今回はホテルも大学指定があり、皆同じところに宿泊・団体行動となります。
そのホテルは…
リッツカールトンです。
さすが、とっても豪華。
中国のレートであることに加え、NY大学の特別価格で宿泊できたので、先日東京で泊まったビジネスホテルより安い宿泊費。
研修でこんな豪華ホテルに泊まるのはこれが最初で最後でしょう。
ホテルのバーで夕食をとり、優雅にお酒をいただきました。
明日に備えて、ゆっくり寝ましょう。
7/11(土)研修1日目
前回のNYではほとんど眠れなかったのですが、今回はぐっすり眠れました。
さすがリッツカールトン。(ただ単に昨晩飲みすぎただけかもしれませんが・・・)
朝食を食べて、天津医科大学に移動です。
NY大学では矯正治療のコースも開催していて、今回はインプラントコース・矯正コースの合同研修です。
総勢30人ほどでバスで移動します。
バスから見る町並みはとてもきれいです。近代的な街並み。
ただ空気はとても淀んでいます。PM2.5でしょうか?
散歩するのは怖いですね。
本日の研修は解剖学の講義です。
天津医科大学の解剖棟での授業が行われます。
*バスの写真にも写っている緑の服を着た男性。天津医科大学の教授です。
最終日まで、現地ガイドと思っていました。大変失礼しました。
教室は昭和な雰囲気。
冷房が弱く蒸し風呂状態。
今回の講義や実習はその内容から写真撮影が出来ません。
今日はインプラントや抜歯などの外科治療で注意しないといけない解剖学をみっちりと教わりました。
解剖学は大学生の時に半年かけて必死に学んでいます。
ただ卒業後は解剖を学ぶ機会がないため忘れてしまっていることも多々あります。
学生時代には知識として丸暗記していただけなので、実際様々な治療をしたうえで解剖を学ぶと新たな発見もたくさんあります。
とても勉強になりました。
天津セッションから5名の先生方が新たに参加されることになり、総勢12人になりました。
皆さん、大きな歯科医院を運営されている方ばかり。
勉強面はもちろんですが、それ以外でもいろいろな知識や経験を教えてくださいます。
東京の第一セッションは4人だったことを考えると大人数になりました。
来年はこのメンバーで各国に行き研修を受けてきます。
研修終了後はホテルで懇親会が開催されました。
リッツカールトンのガーデンパーティーです。
思ったほど暑くなく、心地よくビールが進みます。
総支配人もあいさつに来て下さったので、一緒に写真を。
大阪のリッツカールトンにもおられたとのことです。34歳 若くしてすばらしい!!
負けないように頑張ります。
とても楽しい一日が終了しました。
7/12(日) 研修2日目
今日は朝7時半に集合です。
午前中は解剖を行います。
神経や血管の位置、私が最近手術で触ることの多い上顎洞に関して解剖をさせていただきました。
より侵襲の少ない、安全な治療を行うためにとても役立つ実習となりました。
今回行った解剖実習は法律の問題で日本では出来ません。
NY大学、天津医科大学、中国の協力のもと、このような貴重な研修を行わせていただいたことを感謝いたします。
本来ここで研修は終了予定だったのですが、
矯正コースのご厚意により、コルチトミーの講義を受けることが出来ました。
コルチトミーというのは矯正治療の最新のテクニックで、成人が行う矯正治療を、短期間で治療後の後戻りも少なくすることの出来る治療法です。
歯を支える顎の骨に外科的に切れ目を入れることがこの治療法のベースとなります。
世界的にもこの治療法を行っている矯正の先生はまだ非常に少なく、私も雑誌で何度か目にしたことがある程度でした。
私自身が今後やるようになることはないでしょうが、コルチトミーの理論や実際の手術内容、治療を受けた患者様の写真などを見ることが出来、とても有意義な時間を過ごすことが出来ました。
全ての研修が終わり、すぐに空港へ出発です。
今回は天津を歩き回る時間がほぼありませんでしたが、昼休みに周囲を散策しました。
中国ではGoogleが使えないので、グーグルマップを見ながら散策することが出来ません。
迷ってはいけないですし、遠出は禁物です。
大学病院の歯科病棟 天津タワー
空港もきれいで、とても巨大です。
19:20に搭乗開始、関空に24時に到着予定です。
さあ帰りましょう!
ところが、空港で電光掲示板を確認したところ・・・
Delayed
最悪です。
いつ帰ることができるのでしょうか?
20分ごとにアナウンスはされるのですが、「遅れております。まだ飛行機が到着していません。新たな搭乗時間は・・・、後でお知らせします。」と繰り返すばかり・・・
航空会社の係員もいませんし、先の見えない待ち時間。
こんな時はラウンジで時間を潰しましょう。
First Class Loungeが使えるようです。
えっ、ファーストクラス? LCCですが大丈夫?
期待はしていませんでしたが、名前とのギャップがおもしろく笑ってしまいました。
とてもレトロな感じです。
歯科医院の院長という職業、おそらく皆さまが思っているよりたくさんの仕事を抱えています。専門職ということを除けば、個人商店の経営者ですので、事務作業や、人員管理、財務管理など様々な仕事もしないといけません。
この待ち時間に、とっても仕事がはかどりました。
このラウンジには青島ビールがおいています。疲れた体にしみわたります。ありがたい!!
延々とまっていると、ついに新たなアナウンスが!!
「23:30に搭乗開始します」
4時間遅れ・・・
大分急いだのでしょう。気流の悪いところを度々通るようでとっても揺れる!!
飛行機嫌いな私は眠ることなどとても出来ません。
さあ、関空につきました。午前3時過ぎです。
正直疲れました・・・。
入国審査を終え、到着ロビーに出ると、名前を書いたボードをもってタクシーが待ってくれていました。
関空を利用する際、毎回お世話になっているMKタクシーさん。今回も送迎をお願いしていました。
2時くらいから、ずっと立って待ってくださっていたようで・・・。大変長らくお待たせしました。
嫌な顔一つせず、送迎してくださる姿をみて「すばらしい」と感激してしまいました。
家についたら午前5時。
LCC、いい経験になりました。
コストパフォーマンスは最高です。
少ない機材や人員でやりくりしているため、遅延・欠航もいたしかたのないものでしょう。
もともとは月曜0時に関空到着予定だったため、月曜の診療をするかどうか迷っていたのですが、こんなこともあろうかと休診にして大正解です。
学生時代にLCCがあればもっといろいろ旅行できたなーと思います。
でも仕事で使うものではないですね。
今回の研修は医院を休診にさせていただきました。患者様にはご迷惑をおかけしたかと思います。
これで今年の海外研修は終了です。
とってもいい経験が出来ました。
この研修を患者様に還元できるよう、取り組んでまいります。
院長